次に来るマンガ大賞
『次に来るマンガ大賞」ってご存じですか?
2014年10月6日にniconicoとダ・ヴィンチの共催企画として、すでに売れているマンガではなく「次に流行るであろうマンガ」の発掘・紹介を目指し創設されたユーザー参加型のマンガ賞。
Wikipediaより引用
『このマンガがすごい!」や『本屋大賞』に比べると新興のマンガ賞のようですね。どおりであまり聞きなれないと思った。そういえばジャンププラスでマンガ読んでるときに「投票しませんか?」って広告が出てたような気がする。
とまあTwitterで漫画・コミック系のアカウントをフォローしていると自然と今回ノミネートされた漫画の最終結果も流れてきましてマンガ好きとして興味深く見させてもらいました。
コミックス部門1位は『アンデッドアンラック』という作品でした。
あージャンプで新しく始まった漫画だ。あれ人気だったんだね。引き続き頑張ってください。てかやっぱり集英社強いな!さすが日本で一番読まれている漫画雑誌発行してるだけある。
ちなみにノミネートされたジャンプ系の作品は今ならジャンププラスでほぼ無料で読めたりもするから興味ある人はインストールしてみるのもいいかも。
ハーレム漫画の革命
さて前置きはこれくらいにしてここからが本題です。
ノミネートされたすべての作品を読んだわけではないのですが、出版元が集英社の作品はジャンププラスでだいたい読みました。
その中に一作、久しぶりに衝撃をうけた作品があります。
それは・・・
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』!!!
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』は中村力斗原作、野澤ゆき子作画による日本の漫画。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2020年4・5合併号から連載中。
Wikipediaより引用
これはすごい。久しぶりに漫画を読みながら「マジかこれ・・!」「うわ・・そうくるの!?」と思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。
というわけで今回は僕がなぜこのマンガが面白いと思ったのかを書こうと思うんだけどネタバレせずに魅力だけ書くってなかなか難しい。
とりあえず冒頭第1話の内容はネタバレ許してください。それ以降の内容はボカシて書きます。
まずこの漫画のジャンルは何かというと完全なるハーレム系ラブコメです。
出てくるヒロインは当然みんな可愛いし、ツンデレ、天然、小動物系、クール系、メガネっ子といった男性読者の何かしらの性癖に刺さる属性を持っています。そして全員主人公のことが好き(笑)。
ハーレム漫画は各ヒロインに固定ファンがつくので読者人気が出やすい反面、ストーリーが終わりへと近づくたびに避けては通れない問題があります。
負けヒロインの存在です。
連載中に数々の魅力的なヒロインが主人公の前に現れたとしても最終的に選ばれるのは一人だけです。
主人公がどんな綺麗ごとを言ったとしても、自分の推しヒロインが選ばれずに物語からフェードアウトしていったら主人公は嫌われて読者が離れていきます。
だからといって結局誰も選ばれずにその後の展開は読者の皆様にお任せします的なうやむやな最終回を見せられたら今度は作品そのものが嫌悪の対象になります。難しい問題です。
このようにハーレム漫画というのは軌道に乗れば連載中の人気は取りやすいけど、最終的に物語をどうやって畳むのかが非常に難しいジャンルだと個人的には思ってます。行きはよいよい帰りは怖い。
しかし
今回紹介する『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』という作品は、正直この先どう転ぶか分からないけど、展開次第によっては既存のハーレム漫画の固定概念を覆す名作になる可能性を秘めていると思う。
その理由をこれから説明しようと思います。
負けヒロイン0宣言!
この漫画『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の世界には、人がこの世に生まれたときに定められる”運命の人”という概念が存在します。
本来なら一人の人間に対して運命の人は一人だけ。しかし恋愛の神がとあるミスを犯し、主人公の運命の人を二桁多く設定してしまいました。つまり主人公には100人もの最高の恋愛パートナーが存在するのです。
しかも運命の人と出会った人間はその運命の人と愛し合って幸せになることができなかった場合、なんやかんや不幸な目にあった後に死ぬと恋愛の神から教えられる主人公。
この設定は見事だなあ。前半の設定だけならよくあるハーレム漫画になりそうだけど後半の「選ばれなかったヒロイン=死」という設定で読者の虚を突いてくる。ぶっ飛んでるけど斬新な設定で素晴らしい。
そして悩んだ末に主人公が下した決断、それは・・・
全員と付き合う!
いや主人公クズじゃん!って思うかもしれないけど、ここでさっきの「選ばれなかったヒロイン=死」という設定が絶大な効力を発揮しているのです。
ただ、主人公も最初「それぞれのヒロインに内緒で同時に付き合っちゃえばよくね?」とクズ的な考えが一瞬頭をよぎるのですが直後に自分の顔面に全力の左ストレート(笑)。
命を救うためだからって やっていい事と悪いことがあんだろ!!!!
君のことが大大大大大好きな100人の彼女 愛城恋太郎の独白より
結果、告白してくれた二人のヒロインに対し「二人とも俺と付き合って下さいっっ!!!!」と正々堂々と返事をする主人公。ここだけ見たらマジでただのゴミクズだな(笑)。
当然納得できないヒロインたち。ただその時に取った主人公の誠意ある行動にダブルノックアウト。なんと両者ともに二股を了承しての交際がスタートします。
前代未聞。絶対に負けヒロインを作らないハーレム漫画の開幕です。
ラブコメの要は男主人公にあり
ここまでが第一話です。いかがでしょうか。
この漫画の勝因としてはまず設定の妙技、そして1話目から100股宣言してるのに不快さを感じさせない奇跡の主人公のおかげだと思ってます。
いくら絵がうまくて女の子が可愛くても主人公が不快だとそれだけで読む気なくすからね。主人公の行動がいつだって100%彼女ファーストだから読んでて応援したくなる。
そして忘れてはいけないのが意外なツッコミの鋭さ。主人公を筆頭としたツッコミセリフがこれまた秀逸でギャグも面白いです。
個人的にツンデレ彼女の院田唐音(いんだからね)が嘘発見器に挑む時の
「・・・べっ別にあんたのためじゃないんだからねっ!!」
というセリフに対しての
「それじゃあただ嘘発見器使いたいだけの人じゃないか・・・」
っていう主人公の冷静なツッコミが大好きです。読みながら「本当だ!」って思った(笑)。
ストーリーもギャグかと思っていたものが意外な伏線となっていたりと読者の斜め上をいく構成となっています。
例えば、親の抵抗によって彼女との関係を引き裂かれた主人公が仲間とともに救出に向かうといういかにもラブコメあるあるな話があるのですが、この話の決着のつけ方がまたすごいんです。ラブコメの歴史に残る展開だったと思います。
思えばこのシーンだったな。僕この話読んだ時、思わず読むのを中断して無意識に自室をグルグル歩き始めたんですよ。歩きながら「まじかー(笑)」「うわ~・・・マジかー(笑)」とつぶやいてましたね。気持ち悪いですね。
今のところ2話目以降も続々と彼女が増えていってるのでこの面白さが持続できればマジで100股しちゃうんじゃないかという期待感があります。
新しい彼女を既存の彼女たちへ紹介するところなんか狂いすぎてて最高ですよ(笑)。
最後にラブコメに肝心なお色気要素ですが、掲載誌が青年誌のわりにはライトの方だと思います。少年ジャンプで連載してた『ゆらぎ荘の幽奈さん』のほうがよっぽど過激なくらいです。
お約束のサービス回ももちろんあって、それをまたギャグとしてしっかり面白い話にしてくれるから変にあざとさもなくていい感じ。
話ズレるけどゆらぎ荘以上のお色気漫画はもうジャンプでは無理な気がする。矢吹神も期待してたのにすごく大人しいし。悲しいけど時代ですなあ。
不安要素がないわけではない
さて、ここまでべた褒めした手前言いにくいんだけど、この先この面白さが維持できるかというと疑問なんですよね。実際100人とか無理じゃね?という気持ちもある。
これは第一話で出てきた設定だから言うけど恋愛の神が意味深なこと言ってるんですよ。
女は”その場ですぐに”
男は”時間をおいて徐々に”
相手を好きになる
君のことが大大大大大好きな100人の彼女 1話 恋愛の神
この設定は彼女が増えてきた時の伏線のような気がする。
これは付き合い始めたのが早かった順に主人公の彼女に対する好感度に差が出ることを示しているんじゃないだろうか。だとしたら後半に出会う彼女は既存の彼女たちに比べてかなりのビハインドを背負うことになりそう。
9月17日まで無料配信中
というわけで最後にネガティブな意見も書きましたが現時点では最高に面白いです。この面白さを持続したまま完結できれば令和初期を代表する名作ラブコメになるかもしれません。
もしこの記事を読んで興味を持った人は今ならヤンジャンアプリかジャンププラスで全話無料で読めるぞ!期間は2020年9月17日まで!
ちなみに9月17日は僕の誕生日です。
・・・大事なことなのでもう一度言います。
9月17日は僕の誕生日です。
けっして自分の誕生日を祝ってほしいから今回の記事を書いたわけではありません。
・・・けどドラクエ10プレイヤーさんは記念になんかください。
おわり
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