吾峠呼世晴短編集がガチで傑作だった話(後編)

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蝿庭のジグザグ

蝿庭のジグザグ
吾峠呼世晴短編集より

短編集のラストを飾るのはダークヒーローの活躍を描いた「蝿庭のジグザグ」です。※以下ジグザグと略します。

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吾峠呼世晴先生にとっては「鬼滅の刃」連載開始前に描いた最後の読み切りとなります。もうここまでくるとかなり現在の鬼滅の絵柄に近いですね。

ジグザグは今までの読み切りに比べるとストーリーや登場人物の雰囲気がとても明るいです。鬼滅で例えると善逸が登場してコミカルさが増したような雰囲気。吾峠先生はシリアスのなかにギャグを混ぜるのが本当に上手ですね。

「呪い」は存在すると思いますか

まずこの物語は読者に対しての一つの問いから始まります。

そして直後から不機嫌そうに電話をする白髪の青年。

早速で悪いけど、まずはこの青年と電話相手の会話を読んでみてください。

ジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集
不機嫌そうな青年

青年「はい でも人に頼む前に自分の力で頑張ってください これ物事の基本やないですかね 俺は今忙しいねん お花にお水飲ませてる真っ最中」

電話相手「こっちはこっちで忙しいんだよ それとも何!? 猫撫で声でお願いしろってかい!!」

青年「自分のことは自分でしてほしいだけや」

電話相手「へええ!! じゃあ病気になっても病院行かないのかお前は」

青年「当然 潔く死にます 自分の力でどうにもならんから言うて人に頼るなんて死んだほうがマシや」

電話相手「ハハハ! 病院が怖いんだろ ビビってんだな!!」

青年「ビビってへんわ!!」

冒頭から漫才かよ!と思うくらいの会話の応酬。

青年の「人に頼む前に自分の力で精一杯がんばってください これ物事の基本やないですかね」って言葉はなんか社会人になってから聞くと刺さるものがあります(笑)。

このようにジグザグはキャラ同士の軽快なセリフ回しで物語が進んでいきます。この会話ストーリーに必要なのか?(笑)と思わせて、いつの間にか次の展開へつながっていく不思議な構成になっています。

中編で紹介した肋骨さんも似た部分がありましたけどジグザグではさらにそのセンスが増しています。

さて、電話相手の話によると近頃この市で不審な首つり自殺が多発しているとのこと。

首つり自殺は年間で2万件発生する。単純な計算では一つの県で一か月35件ほどになる。

だがこの市では一か月に21件も発生している。

これは異様な数字だ。これは何者かが裏で手を引いている可能性がある。それを調査せよという指令のようです。

こんなことを電話で指令を受ける青年は一体何者なんでしょうか。

「じぐざぐちゃん」

電話を切り面倒くさそうに歩く青年に一人の老婆が声をかけます。ここで主人公の名前がジグザグということが判明。肋骨さんみたく言い間違えではないみたいです。(笑)

ジグザグ「花婆やん 買い物? 荷物たくさん重そうやねえ」

花婆「持ってはくれないのねえ」

ジグザグ「そんなんあかん しっかり手足使わんと年寄りは すぐ体が動かんようになってまうよ 人に甘えんで頑張りなさい」

花婆「はいはい私は独りぼっちで頑張りますよ ああ寂しい」

ジグザグ「寂しがらんでええ 生き物は皆生まれて死ぬまで独りですから 俺の孤独とかハンパやないで 誰も俺を理解してくれへんし もう眼の色変えていぢめるんや 怖い怖い」

中略

ジグザグ「じゃあ花婆 俺は仕事や」

花婆「欲しがってたお花の種がきましたよ」

ジグザグ「うちまで送るわ花婆」

花婆「まあこの変わりよう

花婆をおんぶして家まで送るジグザグ。花婆ってあだ名すごく可愛くて好きです。そしてジグザグは花に異様な執着があるようです。冒頭の電話中も家の花に水をあげてたし。

自宅アパートへ到着し、玄関ドアのカギを開ける花婆。

蝿庭のジグザグ
このセリフ回しのセンス

ジグザグ「あかんあかん 部屋間違えてるで花婆 ボケんといて 切ないわ」

個人的にこのセリフ妙に好きです。「ボケんといて」までは凡人でも考えられるセリフなんだけど最後に「切ないわ」っていうワードが思い浮かぶのが吾峠呼先生のセンスだと思う。

この部屋に住んでいる角丸さんが首吊り自殺して亡くなった。お互い家族がいなかったから生きてる方が弔う約束をしていたと花婆は答えた。

ジグザグ「これ呪いかもしれんで花婆」

花婆「・・・・・ ・・・ じゃあ 角丸さんを呪った人に罰を与えてちょうだいな」

遺品整理をしながら答える花婆。この言葉にする前の「・・・」が花婆の角丸さんに対してのなんとも表現しきれないやりきれなさとかいろんな感情が伝わってくる。

蝿庭のジグザグ

遺体の胸に”吸い取り種”を植えるジグザグ。

種は遺体に残っていた呪力を養分にしてメキメキと成長していきます。成長した植物から取れる”辿り種”は呪いの主のところまで案内してくれると説明するジグザグ。遺品整理をしている花婆はジグザグのほうを見ていません。

ジグザグ「じゃあちょっとどつきに行ってくるわ」

花婆「えっ?」

振り返った先にもうジグザグはそこにはいませんでした。

花婆「じぐざぐちゃん」

アパートの屋根の上。右手に持った”辿り種”の指し示す方角を確認しながら左手を目の前にかざすジグザグ。

蝿庭のジグザグ

左手のひらに「」という文字が浮かび上がり、そこから木づちのような武器がメキメキと生えてきました。

木づちと辿り種を携えて屋根の上から別の屋根へと跳躍するジグザグ。目指すは呪いの主の場所。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集
振袖の女性

ここで場面が切り替わり、登場したのは息を切らしながら走る振袖の女性。振袖なのは結婚式帰りだから。一人で帰ってるってことはこの女性が新婦ってわけではなさそうです。

出かける前にポンすけ(犬)に水をあげるのを忘れたかもしれない!と家路を急ぐ女性。実はちゃんと水はあげているのですが(笑)。天然ボケかい。ぴしゃぴしゃ水を飲んでるポンすけの絵がめっちゃ可愛いです。

しかし帰宅途中の曲がり角で男性とぶつかってしまいます。

女性「あっすみませ・・・」

男性「首を吊って死ね」

咄嗟に仰け反る女性。

女性「へっ・・・変質者・・・?」

来た道を大急ぎで引き返す女性。

男性「訂正してほしいな 僕は変質者じゃなくて 殺人者だ」

人気の多い街中まで逃げこみ、追ってこないことに安堵しながらホームセンターで荒縄を買う振袖の女性。

交番に行こうかと悩みますが、それよりもポンすけのことが心配だと焦りながら見知らぬビルの屋上まで駆け上がっていきます。

女性「!? ここどこ?」

戸惑いとは裏腹に先ほど購入した荒縄を屋上の柵へ巻きつける女性。

女性(あれ?あれ?手が勝手に)

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

私何してるの?

男性「君は首を吊って死ぬんだよ 自殺する」

いつのまにか隣には曲がり角でぶつかった男性の姿が。

男性は穏やかに話し始めます。

男性「僕は呪殺屋をやってる 人を呪い殺す仕事だ」

蝿庭のジグザグ

君を殺してくれと依頼されたから殺す。それだけだ。金さえ払ってもらえればそれ以外はどうでもいいと男は女性に伝えました。

男性「さよなら」

女性「待って!」

叫び声をあげた時、すでに女性の体は柵から離れていました。

女性は首を吊って死んだ・・・かに見えましたが、なんと女性の飛び降りた先には巨大な木の幹が。間一髪で女性は助かったのです。

延縄のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

ちなみにこのシーン僕は「なんて色気あるふとももなんだ!」と興奮しながら読んでました。振袖の女性が死にそうなところ謹んでお詫び申し上げます。でもこの吾峠先生のふともものこだわりが後の鬼滅の刃の禰豆子につながるんですよ。

鬼滅の刃
出典 鬼滅の刃1巻
すばらしいふともも

この男はヒーローなんかじゃない。

呪殺屋「木・・・? 壁から生えてる」

ジグザグ「コラッ」

いつのまにか呪殺屋の目の前にジグザグの姿が。

呪殺屋「・・・!! 首を吊って死・・」

言い終わる前に種を呪殺屋の口に飛ばすジグザグ。直後に呪殺屋の男の口から猛烈な勢いで木が生えてきました。その衝撃に思わず仰反る男。

ジグザグ「操り呪術かなァとは思てたけど 呪いの言霊だったわけや 危ない危ない」

成長した木の厚みに耐え切れなくなりあごの関節が外れる呪殺屋。

ジグザグ「あれ?顎外れた?ごめんなあ あんた口が小さいねえ」

その光景を怯え切った表情で見つめる女性。

ジグザグ「いくら呪術使えるようになって嬉しいから言うても そんなはしゃいで人殺したらあかん あかんのですよ」

蝿庭のジグザグ

呪力 嘔吐打ち

続け様に木槌で男の腹部を打ち抜き、指を鳴らすジグザグ。たまらず男は口から3粒の種を吐き出しました。

呪殺屋「首を吊って死ね! 首を吊って死ね 首を吊って死ね!!!」

ジグザグ「・・・いや かかりませんよ 君にはもう呪力自体ないからね」

今吐き出た種は男の呪力そのものであり、もう呪術を使うことはできないことを伝えるジグザグ。

蝿庭のジグザグ

愕然としながらもジグザグが自分と同じ呪殺屋であることを悟り、縄張りを荒らされて怒っているなら謝る、申し訳なかったとジグザグに許しを請う呪殺屋。

しかしジグザグは呪殺屋ではありませんでした。「これをご覧ください」と名刺を投げつけるジグザグ。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

ジグザグ「俺は解術者や」

何気に携帯番号が4939(ジグザグ)になってるのがオモロい。それと蝿庭って苗字のことかと思ったらまさかの斎藤さんだぞ?(笑)

自分の持つ力や技術を使って金を稼いで何が悪いと開き直る呪殺屋の男。

それが人の道から外れた時にそんなことは許さんと立ち上がる人間が出てくるのも自然なことだと答えるジグザグ。

ジグザグ「俺は全然立ち上がってへんのやけど」

呪殺屋「!?」

ジグザグが解術者になった理由。それはジグザグ自身にかけられた呪いが原因でした。

呪術の力に溺れて見境なく人を傷つけていた時代に、ある呪術者にかけられた呪い。

  1. 人を殺さない
  2. 私利私慾のために力を使わない

これを破った時ジグザグは死んでしまうのです。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

また、人が死ぬ可能性があることを放置したり無視したりすると”見殺し”で1に反する。だからこそ必死に人助けをしているのです。動機が100%不純(笑)

ジグザグ「俺は今ほんまに落ちついてるし 優しくなったし 誠実で心も綺麗や それなのにまだ呪いかかっとる どう思う?この不条理」

女性「自分で言っちゃう?」

ツッコミを入れる振袖の女性。読者が思ってること代弁してくれてありがとう(笑)。

ジグザグ「呪いはどうにもならん つまり俺のイライラはお前らか何や呪術使ていらんコトばっかしよるのが原因 いちいちいちいち騒ぎ起こして その度に俺が呼ばれるねや いっちいち!」

青ざめる呪殺屋の男。

ジグザグ「そしたら俺凄いでしゃばりみたいで恥ずかしいねん 嫌やねん また斎藤来よった言われるやん」

また斎藤来よった言われるって(笑)

ジグザグ「ムカつくわムカつくわ」

歯を食いしばりながら絞り出すように声を出すジグザグ。

ジグザグ「ほんまにムカつくわ!!

ドン

蝿庭のジグザグ

呪種 爆生

呪術で生やした木に男を張りつけにするジグザグ。

ジグザグ「あっ また顎外して!! さっきせっかく治したったのに何してんねん そういうとこやで!!そういうとこ!!」

顎2回も外させといてそれ言う?(笑)

ジグザグ「俺は今から重ねて君をどつくけども それは自分が腹立ってるとかではなく!! ひたすら世のため人のためや そのあたりをしっかりと認識してください」

呪殺屋「ギャアアアア ギャーーッ」

男の断末魔に耳を塞ぎながら青ざめる振袖の女性。

この毒が悪を断つ!

ジグザグ「はぁあああ 俺は一日何人おんぶしたらええのや」

先ほどの騒動で腰を抜かしてしまった振袖の女性をおんぶして自宅まで送り届けるジグザグ。

もちろん不本意なのですが、早く帰らないとポンすけが喉が乾いて死んじゃうかもと言われてしまったので仕方なくです(笑)。

女性「本当にありが・・」

ジグザグ「あーいらんいらん感謝いらん せやったら這いずって家に帰ってや 人に頼らんと」

女性「・・・」

ジグザグ・・・おまえ(笑)。

もしもジグザグに呪いがかかってなかったらこの世界のラスボスはジグザグだったかもしれません(笑)。あ!そういえば短編集のおまけでジグザグ鬼舞辻無惨のコスプレしてたわ(笑)。

ここまで天上天下唯我独尊の主人公ってジャンプだとBOY日々野晴矢以来かも。この性格で読者に不快感を与えないってすごいよね。

ジグザグ「依頼人の方もどついて回らなあかんから俺は忙しい もうここでええな」

女性「それは・・・はい 家に入ってきてほしくないので」

この2人 全くフラグが立ちそうにない(笑)

助けたヒロインに部屋入るの断られる主人公初めて見たよ(笑)。こんなことある!?

女性「でも最後にひとつ・・・私は今日の出来事をどう捉えたらいいんですかね」

ジグザグ「夢見たと思えば? 夢」

階段から飛び降りるジグザグ。

女性(夢なんだね そうよね 12階から人が飛び下りるはずないもんね)

2人の会話のやりとりが面白すぎる(笑)。

翌日、女性を送り届けたマンションでジグザグが生やした木に宙吊りにされる男性の姿がありました。

依頼人「ふざけんじゃねえ おろせ!!おろせって言ってんだろテメエ クソがっ」

ジグザグ「あ 落としてええねや?」

依頼人「落とすじゃねえおろすんだよそっちに!!」

お笑い芸人のサンドウィッチマンorバイきんぐかよってくらい面白いわ(笑)。

二度と殺人の依頼なんてしないように白目剥いて泡吹いて失神するくらいまでは追いつめますと答えるジグザグ。

もうどっちが悪者なのか分からない(笑)。なんでこんな怖いこと淡々と言えるんだよ。

依頼人「あのクソ女が悪ィんだよ 毎日毎日朝からバンバン布団叩きやがって おかげで俺は不眠症になって病院通ってんだ!」

そ・・そんなちっぽけな理由で殺人依頼したの・・・?心病みすぎでしょ。次に会うのはジグザグじゃなく浄化師のアバラであることを祈ります。

女性「そんなにうるさかったですか?すみません 下の階の方ですよね 言ってくれればすぐやめたのに・・・」

ちょうど木が生えて宙吊りにされてる場所が振袖の女性の部屋のベランダでした。ずっと会話を聞いていて謝罪する女性(笑)。

女性「厚手のカーペット敷いて足音も気をつけます」

警察に訴えてやると激昂する依頼人。

聞くや否や呪術で生やした木を消してしまうジグザグ。木にしがみついていた男は真っ逆さまに地面のコンクリートに落ちていきます。

間一髪でまた木を生やすジグザグ。

ジグザグ「困るわあ 警察行くとか言われたら怖くて手が震えますよ」

依頼人「すみません 勘弁してください 警察には行きません」

女性「(夢じゃなかった・・・) や やりすぎだと・・・」

ジグザグは邪悪な笑みを浮かべてこう答えます。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

ジグザグ「人間ってそう簡単には悔い改めたりせんからね」

感想と考察

せーの

おまえが言うな!!(笑)

まず言っとかないとね。はいでは感想を。

最後まで振袖の女性の名前出なかった!(笑)てか花婆もあだ名だしジグザグしか名前なかったな今回の読み切り。

ジグザグはワニ先生が元々連載会議用に描いたネームを読み切りに再構成しているのでやや消化不良な部分もあるのも事実です。なので完成度としては断然肋骨さんのほうが上だと僕は思う。

ただ、ワニ先生の描くキャラのセリフは本当に言霊が宿ってる。ただの言葉じゃなくてそのキャラが本当に喋ってるように生きたセリフに聞こえるのが本当に凄い。そういう意味では台詞回しのセンスはジグザグで完成したと思います。

結局冒頭の電話相手は誰だったのかとかジグザグはなぜ花が好きなのかとか色々と疑問点が残っちゃったね。ただ、予想はできるかな。というわけでこっからは完全に僕の主観と妄想です。

まず電話相手はジグザグに呪いをかけた呪術者本人だと思います。何故そう思ったのかはこのセリフから。

ジグザグ「俺は今ほんまに落ちついてるし 優しくなったし 誠実で心も綺麗や それなのにまだ呪いかかっとる どう思う?この不条理」

ジグザグ「人間ってそう簡単には悔い改めたりせんからね」

ジグザグこのセリフ。言い方を変えると「心悔い改める」つまり「改心」すれば呪いが解けるとも解釈できる気がします。

参考にしたのはハンターハンターに出てくるクラピカの台詞から。

一つ目はハンター4次試験でヘビ使いバーボンから解毒剤を手に入れるために毒蛇の大群に飛び込んだシーン。

ハンターハンター
ハンターハンター 31話より引用

クラピカ「相手に毒を守る場合解毒剤がなければ駆け引きが成り立たないからな」

この駆け引きというのはハンターハンター で言うと「解毒剤がほしければおまえのプレートを俺に渡せ」というのが駆け引きですね。※4次試験は受験生同士のプレートの奪い合いです。

これをジグザグに当てはめると「呪いを解いてほしければ〇〇しなさい」ということになります。僕はこれを「呪いを解いてほしければ悔い改めて人助けしなさい」という呪術者の駆け引きだったんじゃないかと思ってます。

おそらく呪術者はジグザグの呪いは解こうと思えば解けるんだと思います。ただ、呪いの解術条件は人助けして悔い改めることだと言っておけばジグザグは不本意でも人助けをするようになるし、その過程でいつか彼の中の偽善ではない本物の善意が芽生えることを呪術者は望んでいるのではないかと思うんです。

衝撃の真実

これで終わりならいい話で終わるんだけど、もう一つのなぜジグザグは花が好きなのかを考えてみたらやはりジグザグは悪者だという結論になりました(笑)。

まず気になったのはジグザグのこのシーン。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

呪殺屋の呪力を種に変えて吐き出させたシーンです。この時のジグザグの表情。なんか嬉しそうじゃないですか?

なぜこのような表情を浮かべたか。

ジグザグはこの種は後で燃やすと発言してます。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

この時僕は思いました。

本当に燃やすのかと?

そもそもわざわざ家に帰ってから燃やす理由と根拠が乏しいと思いませんか?ただ燃やすだけでいいならライターとかマッチを常備していればその場で燃やしてしまえばいいだけなのに。

呪力がこもった炎でないと燃やせないならまだ分かるんですけど、なんか腑に落ちません。

前提として僕はジグザグの一連の言動を見る限り、嘘をついたら死ぬ呪いではないと予想します。だって

ジグザグ「俺は今から重ねて君をどつくけども それは自分が腹立ってるとかではなく!! ひたすら世のため人のためや そのあたりをしっかりと認識してください」

この台詞とか

ジグザグ「困るわあ 警察行くとか言われたら怖くて手が震えますよ」

この台詞とか絶対嘘じゃん(笑)。なので確定。

そしてまたまたハンターハンター のクラピカのセリフより

ハンターハンター
ハンターハンター 149話より引用

人にかける念があるのだから はずす念も存在すると考えるのは自然な発想。

この法則がもしジグザグの世界の呪術にも通じるとすれば、呪いを解く方法は術者本人に解術してもらう他にもあるはずです。

ジグザグはそれを探しているのではないでしょうか?

ではその方法とは?

鬼滅ファンで勘の鋭い人はもうこの辺でピンときてるかもしれません。

ジグザグの冒頭シーンを思い出してください。ジグザグは電話をかけながらしていたことはなんだったでしょうか。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

そう、花の水やりです。色々な種類の花が咲いてますね。

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

蝿庭のジグザグ
出典 吾峠呼世晴短編集

まさか!?

もちろん普通の花も育てているでしょう。というか8割以上は一般の花だと思います。事実物語の中で花婆から花の種もらってますしね(笑)。

ただ、全てが一般的な花だという事実はどこにもありません。

もし、呪殺屋から抜き取った呪力の種を植えて育てているとしたら・・・?

ジグザグが本当に求めている華は自分の呪いを解術できる花なのではないでしょうか。そしてそれは呪力の種でしか育たない花なのでは?

・・・真相が近づいてきた感があります。

ただ、そんな花は本当に存在するんでしょうか?そもそもこれ以上情報ないから考察無理じゃない?

・・・あるじゃないですか。僕はついに真実に到達してしまいました。そう、あの花です。

鬼滅の刃
出典 鬼滅の刃8巻

青い彼岸花

そう、鬼舞辻無惨が太陽を克服するために求めていたあの花です!

青い彼岸花は太陽を克服する花ではなく呪いを解くための花だったんだよ!

なんだって

つまり短編集のおまけでジグザグが鬼舞辻無惨のコスプレをしていたのも、両者とも求めているものが実は同じというワニ先生からの隠しメッセージだったんだよ!!

なんだって

つまり僕の考察をざっくり言うと

ジグザグに呪いをかけた呪術者はジグザグが呪いを解く過程でこれまでの行いを悔い改めて改心することを願っている。

ジグザグ本人は呪いを解くために青い彼岸花を求めて花を育てている。解けたら呪術者に復讐予定。

以上が僕の考察という名の妄想です(笑)。

信じるか信じないかはあなた次第!

というわけで以上で吾峠呼世晴短編集の感想を終わります!なんとか年内までに書けてよかった。

ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!!!

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コメント

  1. コーセイ より:

    最後の考察、一見こじつけた感じがしますけどちょっとありえるかもしれませんね 
    自分はワニ先生の作品はつながってると考察してたもんですから

    • たけし より:

      コメントありがとうございます。
      ただのこじつけなのでギャグとして流してもらえると幸いです!

  2. おぜ より:

    素晴らしい紹介&解析、ありがとうございました。このコラムを読んで踏ん切りがついた結果、この短編集を電子で1冊、紙の本で2冊買う羽目に陥りました(笑)。
    (この章の個人的なツボは「助けたヒロインに部屋入るの断られる主人公初めて見た」という指摘だったのですが、後でこのヒロインが入室を拒否したのは「部屋の中が尋常ではないくらい汚かったからではないか」という気も。)

    • たけし より:

      コメントありがとうございます!
      まさかの2冊!。そしてまさかのヒロイン汚ギャル疑惑!!(笑)。

      • おぜ より:

        あのヒロイン、どうも部屋の美化に気を使いそうに見えないもので(笑)。冗談抜きに本当に感謝しております。ありがとうございました。

  3. しほ より:

    引き込まれる解説と興味深い考察をありがとうございました。
    青い彼岸花の仮説に関して気付いたのですが……
    ジグザグに呪術者が呪いをかけているひとコマで、呪術者の麻の葉模様の着物の袖口に、不自然に重ねて描かれているお花……それに同コマの黒い背景に溶け込むように描かれているお花……
    これどちらも彼岸花じゃないですかね?(◎-◎;)
    だとしたら、たけしさんの考察、 かなり核心を突いているのではと感じました。

    • たけし より:

      コメントありがとうございます!
      おおお…!これはまた妄想が膨らみますね。
      青い彼岸花の仮設は記事を書きながら思いついてノリで書いてみたんですけど、我ながらこの仮説面白いよな~と時とともに思うようになりました(笑)。
      もしもジグザグが連載化したとき青い彼岸花で鬼滅と世界観がリンクしたら鳥肌ですね。
      もう呪術はジャンプで連載してるから無理そうだけど(笑)。

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